「投資戦略の発想法」

本書は、私が本当に感銘を受けた一冊です。
(「投資戦略の発想法」(木村剛))


「ギャンブルとして」や「遊びのひとつとして」投資を行っている方には向いていない本で、資産運用として投資をされている個人投資家の方にはとても向いている本、ということでした。

この本の特徴は、資産形成のために個人は何をすべきか、何に気をつけるべきか、ということに焦点を当てている点です。
投資の本というと、どんな方法で投資をすれば儲かるのか、ということに焦点を当てています。
しかし、本書では、個人投資家がまずやるべきことは、

  • 自分の資産状況を把握すること
  • 節約(不必要な贅沢をしない)を心がけること
  • まず本業に精を出すこと(投資は副業にすぎない)

以上の3点になります。
(まず本業に精を出すこと、というのは毎週自分に言い聞かせたい言葉です・・・)


どうしても本業よりも投資活動や株の売買の方が面白くて仕方ない、という方は、ファンドマネージャーに転職するのがよい、ということです。


また、ポートフォリオの構築方法についての解説もされていますが、とてもシンプルです。
なぜならば、ポートフォリオの内容や目的をしっかり理解し、かつ管理していくためにはシンプルでなければ大変になってしまうからです。


さらに、個人投資家の投資手法として、長期保有を奨めています。
またその銘柄についても、値上がり益に注目して選定するのではなく、自分の資産状況に照らし合わせたリスクに注目して選定すべきです。


銘柄数は、20銘柄程度に分散投資すべきとしています。
ウォーレン・バフェットやピーター・リンチのように、経営者に直接話しを聞くなどの徹底した企業分析が出来るのであれば集中投資が可能なのですが、それが困難であれば20銘柄に分散投資することがリスク回避のためには必要です。
(ただし、私は将来に向け投資の勉強をするということも大事ですので、企業分析の努力をし10銘柄程度の分散投資に押さえたいと考えています。)


投資には、リスクとリターンが表裏一体で存在しています。
株式投資は、全体的に長期的に見れば確実にリターンを生み出しています。
しかし、個別銘柄でみれば損失が出てしまう銘柄もあるわけですから、リスクが常に付きまとうのです。
ついリターンにのみ目が行ってしまいがちですが、資産を確実に増やすためには、リスクに注目した資産運用を手がけることの方が重要になります。


私の投資スタンスは、リスク要因への注目度:80%、リターン要因への注目度:20%くらいのイメージで、他の人のブログを見るたびに我ながらやけに手堅い投資しかしていないな、と思います。
まあ、性格なので仕方ないかとも思いますが。