「留保利益が必要」という考え方に納得!

今日(2008年8月27日)の日経新聞の「大機小機」という欄に、「猪突」さんという方が書かれている記事がとても面白かったので、この記事について書きます。
タイトルは、『潤沢な資金留保はなぜ必要か』。


記事の要約をすると、多すぎる留保利益は資本の無駄遣いであるという投資家の論調が見受けられるが、留保利益には重要な機能があるのだ、という内容でした。
その理由として、以下のような例が挙げられています。

  • 日本の企業には終身雇用の考え方があり、経営を長期間安定させるためには資金の準備が必要であること
  • 企業間で長期取引を行う場合、顧客企業の経営が安定しているのをみて供給側も安心して設備投資ができること
  • 企業間が信用で取引を行う場合、経営が安定していることを見せる必要があること

これらのことを考慮すると、一企業にとっては自己資本に対する利回りでは無駄遣いに見えるかもしれないが、社会全体でみれば設備投資や企業活動を促すことになっている、と主張しています。


企業は金儲けのために存在する、という考え方でいけば、不要な留保利益は株主に還元しろ、という考え方になるでしょう。
しかし、社会を動かすための機能の一つ、とうい考え方にたてば、猪突さんの主張の考え方になります。
CSRとかサステナビリティなどのキーワードが出てきている昨今では、猪突さんの考え方の方がマッチしているのではないかと思えました。
また、リスクに対する意識が低下して起きたサブプライムローン問題などを見ていると、利益に対して貪欲すぎることの危険さを感じます。


ちなみに私は、投資を通じて社会を良くしていくことができるのではないかと考え、実行しようと模索しているサラリーマン投資家の一人です。
派手に高い利回りを稼がなくとも、良心のある投資を続けていきたいと思っています。