内需拡大はそんなに大事か?

新聞、雑誌、テレビなどでの経済解説で、「日本経済は内需を拡大しなければならない」というキーワードをよく見かけます。
これを見るたびに、私は「そうなのか?」と疑問を感じています。


内需拡大推進の理由は、外需の減速が起きるので、それを補うために内需を拡大するべきだ、ということのようです。
たしかに欧米諸国や新興諸国も経済減速が起きているため、日本からの輸出量は減るでしょう。
しかし私は、「内需」と「外需」という区分けの仕方に疑問を感じています。


企業からしてみれば、もう今は「国内市場」、「海外市場」という単純な分け方で考える時代ではなくなってきています。
自分たちが商品を提供できる市場であれば、国内・海外を問わず、提供するという考え方にシフトしてきています。
つまり、「グローバル化」です。


そんな変化が起きている中で、外需が伸びなくなるから内需を伸ばせ、という考え方は合わなくなってきているように感じます。
それに内需を伸ばせといっても、個々の企業がブレークスルーを起こしていかない限り変化は起きません。
内需が伸びてほしい」という願望を持つのは自由ですが、「内需が伸びるようにしなければならない」と政府などがまたおかしな政策を始めてしまったら残念な結果になります。


これまでの世界的な好景気が終わって減速が起きていく中で、どのように身を守り、またどのような市場へ進出をしていくのかは、個々の企業が自身の責任で考えていくことです。
それから企業だけでなく、個人や政府も、世界経済の影響を受けることは避けられません。
経済環境の変化に対して、自分でコントロールが利く範囲で対応策を打っていくことが大事です。