ライブドア事件〜堀江・宮内両被告の直接対決


9/15のNIKKEI NETの抜粋から。


かつての盟友初対決、ライブドア公判で堀江・宮内両被告


 ライブドア事件で、証券取引法違反有価証券報告書の虚偽記載など)罪に問われた前社長、堀江貴文被告(33)の第5回公判が15日、東京地裁(小坂敏幸裁判長)で開かれ、共犯とされた元取締役、宮内亮治被告(39)が検察側証人として出廷した。宮内被告は自社株売却益の不正計上につながった企業買収計画を報告した際、堀江被告が「ふーん、そうなの」と了承したことなどを証言。無罪を主張する堀江被告との「直接対決」の幕が開いた。


 宮内被告は起訴事実を大筋で認めており、検察側は同被告の供述を柱に「堀江被告が犯行を主導した」と指摘。一方、堀江被告側は「不正を指示・了承していない」などと共謀を否定している。宮内被告の供述を突き崩せるか、公判は早くも最大のヤマ場を迎えた。

 宮内被告は検察側質問に対し、自社株売却益を売上高計上した粉飾決算のきっかけとなった2003年秋の携帯電話販売会社の買収について、「買収先株主が現金買収を希望したため、大株主の堀江被告から借りた株を売却し、あらかじめ現金を作った」と指摘。 (14:43)


ライブドア事件の焦点は、「何が行われたか」から「誰が主導して行ったか」に焦点が移ってきているようです。
かつての盟友、堀江被告と宮内被告は、お互いが「相手が主導していた」と真っ向から主張をぶつけ合っています。
お互いに責任のなすりつけ合いをやっているだけのようにも見えますし、物的証拠が少ない中わざと真っ向から食い違う主張をすることで裁判官が判断を下せないようにしているようにも見えます。


ライブドアの意思決定は、とても迅速であった反面、ごくごく一部の人間による判断でされていたといいます。
また一方で、意思決定のための書面によるやり取りが少なく、物的証拠が少ないといわれています。
そのため、どのような意思決定の経路を辿っていたのかを明らかにしようと裁判で争われていて、冒頭のような事が法廷で行われています。


しかし、両者とも会社の取締役なのですから、どちらにも大きな責任はあると考えてよいのではないでしょうか。
会社は誰のものか、取締役の役割とは、経営者の役割とは、責任とは、といったようなコーポレートガバナンスの問題に立ち返ってしまうのかもしれませんが、企業のあり方や組織のあり方に立ち返った議論がされることを期待しています。