王子製紙のTOB 不成立

北越製紙に敵対的TOBを仕掛けていた王子製紙が、事実上の敗北宣言をしました。
以下は、NIKKEI NETからの抜粋です。


王子製紙TOB「不成立へ」・社長が事実上の敗北宣言


 王子製紙の篠田和久社長は29日、記者会見し、北越製紙に対する敵対的TOB(株式公開買い付け)について「不成立の方向」と述べた。成立をめざし検討していたTOBの条件変更は「企業価値の向上につながらない」として断念。北越の最新鋭工場を活用した経営効率化策は実現せず、500億―600億円を投じ自前の最新設備を徳島県阿南市の富岡工場に新設する路線に軌道修正する。国内大企業間では初の敵対的な買収攻防は業界内外の反発で、期日を待たず決着する。


 王子製紙は9月4日を期限とするTOBで、北越株の5割超の取得を目指しているが、篠田社長は最大で3割前後しか応募が確保できないとの見通しを表明。「限りなく不成立の方向」と事実上のTOB失敗を認めた。 (21:12)
(NIKKEI NET 8/29の記事より)


私はM&Aの専門家でも何でもないので難しい話はなしです。
王子製紙の敵対的TOBの目的に「企業価値向上」という素晴らしいキーワードはあるものの、具体的に何が起こるのかがよく分からない、というのが私の正直な感想でした。
規模の拡大をすることで本当により優れた経営ができるようになるのか、王子製紙の経営陣が北越製紙の経営に関与するのではなく、逆に北越製紙の経営陣が王子製紙の経営に関与する方が優れた経営ができるのではないか、などなどの疑問が生じました。


ニュースを見ている限りでは、北越製紙は効率的な経営をしており、一方の王子製紙は規模は大きいもののぱっとしない経営をしているように聞こえました。
もしその通りなのであれば、王子製紙に味方したいと思う北越製紙の株主は少ないのももっともだと思います。
優れた経営者をクビにして、普通の経営者を新たに据えたいという変わり者の株主は、なかなかいないのではないでしょうか。